余りの勾留の長さに最高裁判所に特別抗告を申し立てました。


日本で，廃品回収の仕事をしているペルー人が，これまで取引のあった民家の方から
1981年製（３０年前）の古いエアコン室外機を，もらい受けようとし，
OKの返事が出た（と思った）ので，配管を切断したところ，
実はその室外機の管理者は，これまで会ったことのない娘さんだったのでした。
しかもその娘さんが後から出てきて，警察に通報したのです（未遂事件）。

ペルーの方は，かつて親切だった父母と交渉したのでして，娘さん管理の物とは知りませんでした。
そして，戴けるとばかり思っていたペルー人は，その場を離れませんでした。

そのエアコンと室外機は，娘さんの倉庫用途の部屋に取り付けられていたもので，実際はほとんど使っていませんでしたし，特に逮捕後はまったく使っていません（しかも娘さんが生まれる前の製品です。）。

ずさんな捜査により，窃盗未遂の嫌疑をかけられて，既に7か月勾留されているかわいそうな事件です。
被害者側の捜査段階の供述には嘘が随所にあります。

在日廃品回収業の方は，こういうことがないように，そして民家の方に嫌われないように，くれぐれも気をつけて生活しているのに，です。
もちろん，前科はありません。

しかも否認事件だと供述調書が弁護人により不同意になることを見越して，又は弁護人が知らないことだろうと考え，警察は，勝手なことを調書に記しているのです。

警察の文書は公文書ですから，少なくとも勾留に関しては，裁判所は，（虚偽記載は基本的にないものとして）信用します。

否認すれば，裁判は，厳格な審理のため，とにかく長引く。その間勾留が続けば，被告人は疲弊する。

警察は，比較的簡易な審査ですむ勾留の可否や是非と，厳格な審査を要する有罪無罪は一応別個の問題であることを，まさに逆手に取っている模様。
だから，たとい公判では使えない内容が含まれていても警察は平気。
とにかく，勾留さえ確実にしておけば，やがて被告人も根負けするだろうとても思っているのでしょうね。

しかもせいぜい罰金程度の微罪事件だと「（やっていなくても）自白した方が早く出られる。罰金より何か月も勾留が続く方がたまらない。」と思わせることもできます。


微罪処分事件だからこそ，むしろ長期勾留が問題になるはずです。
（場合によっては，昨今の電車内痴漢のえん罪が多発している問題にも一応は隣接する問題かもしれません。今回はそれ以上かと思います。）。

微罪事件なればこそ，そして少なくとも前科と余罪がない場合には（遅くとも，例えば，捜査を尽くしても追起訴等がないことが明らかになった時点以降），本来勾留を早く打ち切る手法が編み出されるべきでしょう。
中でも勾留の基礎となった供述調書に虚偽が含まれていた場合は尚更です。


しかももし本件が米国人等であれば，絶対こんな仕打ちは受けないものを。
少数民族の方は辛いですね。

↓スペイン語の申立書は以下の通りです(in Spanish)。
Alegato de apelación especial.pdf